記憶の中から
どんな小さな断片でも、それは私にしかない記憶。
それがなんの役にたつわけでもないが、留めずにまた忘れて流れていくのは忍びない。せっかく何となく思い出した光景なのだから、書いておこう。
幼稚園のとき、女の子たちの間で香り付き絵柄いりのティッシュを一枚一枚交換することをみんなしていた。子供用の小さなティッシュ。その中でも私がお気に入りなのはアルミのアイスクリームの絵柄が描かれたポケットティッシュ。買い物でそれが目に入るといいなあ、とよく妄想してたっけ。そんなものにでも、そんなものだけど、自分のお金でものが買えない子供にとっては宝物なのだ。
宝物箱は大人のためじゃない。子供のためにあるものだと思える。子供には大人より宝物と思えるものがたっくさんあるんだから。